マンシオンに住まふ

マンション生活やその他諸々

熊本〜広島間について:博多跨ぎ問題

f:id:okayo_chan:20141008093421j:plain
みなさん、はじめまして。オカヨです。
広島のマンションに家族三人で生活していますが、現在は熊本で単身赴任中です。
月に1〜2回は新幹線で広島に帰省するのですが、交通費は自腹ですので、当然出来るだけ安いほうが良いです。
広島〜熊本ですと、新幹線の自由席でも12,810円かかります。出来るだけ早く着きたいので、「さくら」か「みずほ」で座って帰ろうとすると、加算料金も含め13,540円もかかってしまいます。
ついこの前まで大阪で単身赴任していたのですが、山陽新幹線の広島〜新大阪の場合、自由席で10,440円です。新大阪のほうが熊本までより若干近いのですが、熊本までとほぼ同じ距離である京都までで考えても10,570円で、やはり熊本までが非常に高く感じます。
山陽新幹線から博多を跨いで九州新幹線(整備新幹線)に乗り継ぐ場合、特急料金は通しでなく、合算されるので、どうしても高くなってしまいます。


新幹線回数券

広島〜新大阪は6枚綴りの新幹線回数券が発売されていたので、一枚あたり9,640円でのぞみ指定席で帰省できました。しかし、熊本〜広島は新幹線回数券は設定されていないので、別のものを探す必要があります。

スーパー早得きっぷ

インターネット予約限定 スーパー早特きっぷ[席数限定]|JRおでかけネット

現在、一番お得なのがこのスーパー早得きっぷでしょう。広島〜熊本ですと、片道11,000円で二週間前までにネットで予約して購入する形になります。乗車日の変更が一切出来ない等の制限はありますが、「さくら」や「みずほ」の快適な指定席が利用出来、かつ手持ちのクレジットカードで購入出来る(専用のクレジットカードがいらない)など、かなり便利な切符で、値段も普通のものより2,000円以上安くなります。
もともと、このスーパー早得きっぷは関西〜博多間でLCCに対抗する形で2013年3月から発売された経緯があります。ですので当初はLCCと競合しない途中の都市である岡山、広島、山口からのものは設定されていませんでした。交通機関において、競争相手の存在がいかに重要かわかります。
しかし、1年後の2014年3月に10月までの期間限定ではあったものの、岡山・広島〜熊本・鹿児島が加わり、上記の値段設定となりました。LCCが絡まないはずのこれらの区間なのに、なにがあったのでしょうか。

九州新幹線山陽新幹線の直通による旅客市場の全体増


この資料によると、
  • 九州山陽直結のさくら、みずほの乗車率は65%で、山陽新幹線の平均を17ポイント上回る。
  • 京阪神〜熊本の旅客市場は4割増、京阪神〜鹿児島では3割増。
  • 新幹線のシェアは、京阪神〜熊本で3割から6割、京阪神〜鹿児島で1割から4割に拡大。
  • これらのことから、山陽九州の新幹線直結により、山陽新幹線の利用が増加している。
LCCとの競合によるパイの奪い合いだけでなく、さくらやみずほの直結により、山陽九州間の全体の旅客市場の増加という恩恵が、特にJR西日本でみられたとのことのようです。JR西日本としては、格安料金の設定により、岡山や広島といった都市も取り入れて、かつ熊本、鹿児島まで伸ばすことで、新たな需要の開拓が出来ると踏んだのでしょう。

今後

このスーパー早特きっぷですが、この10月までの期間限定だったものが2015年3月まで延長されました。JR西日本が、一定以上の効果が見られたと判断したものでしょう。それ以降も、期間が延長されていく可能性があります。
私のような利用者にとっては、広島〜熊本で新幹線回数券を恒常的に発売してくれるのが一番有難いのですが。条件的に一番近い広島〜京都の回数券とのバランスを考えると(1枚あたり10,540円)、一枚あたり11,000円となるのがやはり妥当なところでしょうか。ただ、それだとJR九州の取り分が今より大幅に減ってしまうため、中々難しいところがあるのかも知れません。今後も、このスーパー早得きっぷのような企画切符でとりあえず発売していくというのが、落とし所でしょうか。(新幹線回数券も厳密には企画切符ですが)
首都圏と地方を結ぶ東海道新幹線、あるいは関西圏と地方を結ぶ山陽新幹線と異なり、九州新幹線は基本的に九州エリア内の人の動きに支えられた「ローカル新幹線」であり、京阪神や岡山、広島あたりから来る利用者とのバランスも難しいところではあると思います。