管理費・修繕積立金の徴収

 現在、マンション管理組合の8割以上が管理会社に総合管理業務を委託しており、管理費及び修繕積立金の徴収業務も管理会社に任せているところが圧倒的多数と思われる。この管理会社の徴収方法としては、口座自動振替によるものがほとんどであり、仕組みとして住民の口座から管理費修繕積立金に相当する額を前月までに自動振替で一旦管理会社の口座に移し、そこから管理組合名義の口座にお金を移すという感じである。住民側のメリットとしては、自動振替なので当然振り込みの手間がいらず、また手数料も安いということで、便利で安く、かつ確実に徴収できる方法であると思われるが、、、

他人の口座を経由するという恐ろしさ

 自動振替するにしても、何故、管理組合名義の口座に直接でなく、他人の管理会社名義の口座を経由しないといけないのだろうか？直接やることも可能なのだが、実はそうすると、ほとんどの場合手数料がかなり高くなってしまうのだ。何万戸もファクタリング会社に一括で依頼している管理会社なので手数料が安くすみ、収納を代行することが合理的のようにも思える。

しかし、自分たちのお金が一時的にせよ他人の口座に入るということで、当然リスクも発生する。時々、ニュースにもなるが、管理会社の人間がこのお金を着服するというのがまず考えられるリスクだ。着服までいかなくても、理事長の許可なく必要経費として勝手に、管理会社が引き出すことも可能で、実際うちのマンションでも、文書作成代や印刷代、交通費等のわけのわからない名目で、毎月1万弱が勝手に使われていた。

 さらに大きなリスクとして、収納を代行されることで、財布を管理会社に握られてしまう、ということがある。特に、管理費削減など管理会社の利益に反するようなことを決める際に、理事長の主導権を弱められてしまう危険性が大である。

原則方式に

 ということで、自分たちのお金は直接自分たちの財布に入れるという原則方式にすべきである。ただし、前述のように管理組合として自動振替をファクタリング会社に依頼すると、手数料がかなり高くなってしまう。請求リストを毎月作るなど、手続きも面倒だ。

 しかし、最近は振込手数料も昔よりだいぶ安くなっている。カード振込なら、コンビニのATMなどで、安く振込出来るし、ネットを使えば無料でも出来る。こうした手続き自体が面倒だという人には、自動送金の手続きをしてもらえば良い。

ただ、一種の納税者意識を持ってもらうためにも、毎月、自分で振込手続きしてもらうのが一番だと思う。

そもそも自動振替って

怖くないですか？毎月、自分のお金が相手に自動で振替されるんですよ？まあ、欧米のように小切手が普及していないから、代わりに自動振替という独自の代金収納システムが生まれたという経緯があるらしいが。電気料金や税金などの誤請求が普通にある欧米では考えられないシステムではある。日本人は、よほど相手のことを信頼出来るんですね。しかも、管理会社などという、、。