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携帯の「2年縛り」とはなにか?

携帯「2年縛り」解消見送り 料金引き下げ道半ば SIMロック15年解除  総務省最終報告案

今朝、日経を見ていたら、この記事のように、総務省の最終報告案が決まったようです。SIMロック解除についてはすでに規定路線となっており、争点は2年縛りの解消が出来るかどうかでした。
ただこれまでの報道では、最初の2年の縛りの解消は見送るものの、2年経過後の縛りは解消の方向で話が進んでいるとなっていたので、かなり意外でした。この記事通りだとすると、残念に思っている人が多いと思うのですが、今のところ、日経以外ではあまりニュースになっていないようですね。
この2年縛りについては、分かりにくい部分もあるので、ちょっと復習してみたいと思います。

1.端末の24ヶ月割賦販売として始めた2年縛り → スーパーボーナス(ソフトバンク)

 ソフトバンクが、ボーダフォン買収後、2006年に始めたのが、スーパーボーナスというものです。この頃問題となっていたのが、端末の販売奨励金制度(インセンティブ)で、端末の料金を安く(昔は1円とか普通にありました)して、通信通話料で回収するというシステムです。総務省からも、インセンティブは廃止して、端末料金と通信通話料は分離、明確化すべきだという声があがっていました。
このスーパーボーナスというのは、端末を初めて割賦方式で販売したものです。ただし、24ヶ月の月々の割賦分をソフトバンクバンクが負担するので、実質的に端末は無料という謳い文句でした。といっても、その分は、通信通話料できっちり回収します。従来のインセンティブの形を変えただけです(笑)。24ヶ月の割賦なので、2年以内に解約すると、残債を払う必要があります。この意味で、2年の縛りがあります。
このスーパーボーナスの恩恵を多くの人が受けるようになったのは、2008年のiPhoneの発売からでしょう。ソフトバンクはかなりギリギリまで値段を下げて、日本にiPhoneを普及させることに成功しました。

2.割引プランの条件としての2年縛り→ひとりでも割(ドコモ)

さらに基本プランの条件としての2年縛り→新ホワイトプラン(ソフトバンク)

2007年に出たのが、ドコモの「ひとりでも割50」やauの「誰でも割」です。これまでドコモですと「ファミ割」など特定の資格(長期、複数)がないと受けられなかった割引プラン(半額)が、資格がなくても受けられるようになりました。その代わり、2年縛り➕自動更新というのが漏れなくついてくる(笑)というものです。途中の解約には、何故か契約期間に関わらず(2年以上でも)一律で約1万円の違約金がかかるというものです。半額にするんだから、長期の契約にしろということですが、解約のタイミングが何故2年に一度しかないのかがよくわからないところです。
さらに、ソフトバンクの基本プランである「ホワイトプラン」も2010年から2年契約が必要となってしまいました。これについては、途中無料の二ヶ月をはさむことで実質4年間解約出来ないシステムにしたてあげており、多くの人の怒りを買ったのが記憶に新しいところです。

2年縛り、1と2のどちらがより問題か

まず、1については、通信通話料に端末料金が含まれている形になっており、両者がきちんと分けられていません。同じ機種を2年以上使い続ける人にとっては、明らかに不利になります。ただ、この点において本当に問題にすべきなのは、最近の端末機本体の値段の高さでしょう。キャリアは、高い端末機を2年間の割賦にして、心理的に売りやすくしているわけです。
より問題にすべきは、やはり2の方でしょう。ドコモから「ひとりでも割」が出たときから、ずっと問題視されていました。そして、今や三大キャリアの基本プランすべてに2年縛りがついています。
長期のユーザーを優遇するという趣旨ならば、2年経過した後は、いつでも解約出来るようにすべきでしょう。2年経過後は、一ヶ月の解約可能期間が設けられるだけで、さらに2年間の縛りがついてしまう意味がわかりません。長期契約者優遇の措置であるはずが、囲い込みの手段へと変わってしまっています。
冒頭の記事にもあるように、日本の通信通話料は今や、アメリカに次いで高いという状況にあります。割引きされているはずの基本料金が、すでに国際的にみて割高な状況になっているわけです。

まとめ

冒頭の記事だけではまだ判断出来ない部分もあるのですが、もし2年縛りが来年以降も続くのであれば、SIMロックフリーが義務化されても、キャリア間の移動はあまり進まないでしょう。通信通話料もほとんど下がらないとおもいます。
  個人的には、かなり期待していて、2年縛りがなくなり次第、mvnoに移ろうと思っていたのですが。
このmvnoについては、また、まとめて書きたいと思っています。