マンシオンに住まふ

マンション生活やその他諸々

マンション築年数10年の壁 出る人、残る人

マンションというのは、躯体はともかく外壁タイルや塗装などの外装は確実にへたってきます。長く住むつもりなら、適切なメンテが必要なわけで、このために毎月の管理費の他に修繕積立金が徴収されています。

修繕積立金

この毎月の修繕積立金の徴収額はマンションによりバラバラで、適正な額というのも難しいです。目的の金額がある程度決まっていればいいのですが、30年先までの修繕費など分かりません。
ちなみに、積立金は必ずしも必要というわけでもないです。フランスのマンションのように、修繕が必要になったら、その都度話し合って、お金を出し合うという方法もあります。かなり揉めるようですが。
やはりスムーズに修繕を進めるためには、適正な額を計画的に積み立てておいたほうがいいです。その適正額として、国交省では月に平米あたり200円という額が示されています。50平米なら、毎月一万円ですね。このくらい集めていれば、30年くらいはメンテできるだろう、と。目安ですが。
では、最初から200円にすれば良いとも思いますが、ほとんどのマンションではそれより安くなっています。ディベロッパーが売りやすくという面もあるのですが、一番は住民側ですね。特に、築後10年くらいは住民の入れ替わりが結構あるので、出て行く人にとっては、出来るだけ安いほうがいいです。なので、この10年くらいは、修繕積立金を上げたくても難しいでしょう、残る人にとっては。

マンション下取価格の推移

よく言われるように、マンションは買った瞬間に価値が一気に2割くらい下がりますし、その後も年々下がっていきます。そして10年くらいで、ほぼ捨て値に近くなります、現状では。それで、その10年で結構人が入れ替わるんですね、うちのマンションでも、結構入れ替わりました。
10年以内なら、築浅扱いで売りやすいので、他のところに出て行く。実際に新築から新築へと渡り歩く人も多いらしいです。賃貸より、いいとこに住めますから。
ただ、この10年を過ぎると、売りにくくなるため、残っている人の永住意識は高いです。ですから、この築後10年というのか、一つの壁ですね。

修繕積立金値上げのタイミング

ですから、値上げのタイミングとしては、10年を過ぎて、一回目の大規模修繕工事の前後ですね。この時に管理組合がイニシアチブをとれるかがポイントだと思います。管理費の値下げをする必要もあるでしょうし、管理会社と対立することも多いでしょう。ここでイニシアチブをとって、出来なければ、今後の管理運営は相当厳しいと思います。

建物と住民のライフサイクル

このように、建物のライフサイクルだけでなく、住民自身のライフサイクルも考えて、管理組合の運営をしていく必要があります。
マンションの高齢化は、住民の高齢化も問題になっているケースがほとんどで、修繕積立金の値上げも非常に難しいです。

もうひとつの恐怖  賃貸率の増加

高齢化の他に賃貸率の増加も怖いです。高齢化、老朽化が進むと、一般に賃貸率も上がります。そうなると、管理組合の運営もかなり厳しくなり、さらに老朽化が進むといった悪循環になります。
マンションの躯体自体は補修しなくても数十年はもつのですが、定期的に外装工事を行い、見た目と使い勝手等の資産価値を維持することが住み続ける住民にとっては必要になってきます。