マンシオンに住まふ

マンション生活やその他諸々

マンション管理会社ってそもそも何?② 歴史的背景

 マンションの資産を管理すべき管理会社に、清掃や工事等の現業部門が含まれているというのは、世界的にみても実は珍しいです。
 現金や不動産の資産管理と、清掃や工事の現業は、本来全く違う性質のものです。集合住宅の歴史的がまだ浅い日本においては、管理会社の成立・発展過程や、その立ち位置も、集合住宅の先進国である欧米諸国とはまた異なっています。

ビル清掃業として始まった管理会社

  日本において、RCのマンションやビルが本格的に出てきたのは戦後になってからです。
 当初、マンションの管理といえばせいぜい清掃業のことでした。コンクリート造りの建物は何もしなくても永久にもつものと思われ、マンション管理の主体も特に意識されることは無かったのです。
 こうした経緯もあり、日本の管理会社はビル清掃業という現業から生まれてきました。

区分所有法 〜 マンションコミュニティの成熟

 マンションが爆発的に増える中、マンション管理の必要性が次第に意識されはじめ、マンション法といわれる区分所有法が成立しました。
 この時点ではまだ、マンション内にコミュニティは育っておらず、管理の主体となるべき管理者としての役割を、そのまま清掃業を母体とした管理会社に委ねるしかなかったのです。といっても、管理会社も行政もまだ手探りの状態です。
 その後、区分所有法も何度か改正され、標準管理規約等の法整備も整ってきました。民間の環境としても、マンション等の集合住宅の文化が根付きはじめ、マンション内のコミュニティも次第に熟していくとともに、管理組合の役割や主体性も重要視される状況になっています。