マンシオンに住まふ

マンション生活やその他諸々

コストコのワイン考察 ワイン販売戦略

世界のワイン販売のモデルは、下記によると、3つに大別出来るらしい。


  • アメリカモデル
      アメリカの消費者はブランド重視。よって、ショップは多くのブランドのワインを置いておく必要があり、必然的に沢山のストックを抱えることとなる。
  ほとんどの日本のワイン販売も、基本的にこれに当てはまることと思われる。
このモデルでは、小売店は沢山のブランドのワインを少量ずつ調達する必要がある。

  • ドイツモデル
  ドイツ人はとにかく安さ重視。安いワインの中で、それなりに質の良いものを選んで置くことになる。ディスカウントストア型。

  • イギリスモデル
  イギリスのワインマーケットは、世界中からのワインが集まるため、ブランドが極端に多くなり、消費者を混乱させてしまう。そこで、ショップがある程度セレクションしたものをPB等で提供することで、選択しやすくする。
(tesco's cabernet sauvinion等)

こうした分類をした上で、上記の筆者はコストコはアメリカにおいて、イギリスモデルのワイン販売を行った点を評価している。kirkland signatureを冠したワインなどのPBを置くことで、消費者に選択しやすいしている。

また、下記の記事でも同じような分析を行っている。


これによると、例えばドンペリのようなブランドワインを置きはじめたことが、コストコのワイン販売戦略の転機になったことを指摘している。
ドンペリを置くことで、ドンペリと勝負出来るものをメーカーに求めた(コスパであったり、品質そのものであったり)。
それによって、ブランドワインも、隣に置いてあるノンブランドワインも、相乗効果で売れるようになったとのこと。

また、2つの記事で併せて指摘しているのが、コストコ流の、アイテムを常に制限して(店舗全部で4,000点ほど)、かつアイテムを常にローテーションさせている点。
ワインも常に100アイテムほどに絞って、消費者に選択しやすいようにしている。また、常にアイテムを入れ替えて、飽きさせないようにしていると共に、毎週掘り出し物がないか、足を運ばせる宝探しのような楽しみも、消費者に与えている。

日本でも、イオンなどは例えばトップバリュというPBを作って、ワインにもそれを冠したものを提供している。
しかし、コストコの方がワールドワイドにワインを調達していること。また、バイヤーの質が遥かに高く、大量に良質のワインを調達出来ていること、などの点において、ワイン販売においてはコストコの方が日本国内の他の小売店より遥かに上回っていると思われる。