国家制度の本質
- 作者: 伊藤正敏
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/05/08
- メディア: 単行本
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P.105
いわゆる寛正の飢餓の際に難民が大量発生した。北陸の餓死者は数を知らずといわれた。「諸国の者どもがこじきとなって京都へ登り集まってくる」これが、応仁の乱の遠因である。
これを言うのはタブーなのかもしれないが、国家制度というものは、今日でもそうだが、首都が地方を食い荒らすように本質的に出来ている。だから国内移民は必然的に発生する。飢餓や災害、さらに不況の際にはそれが極端になる。移民、難民は調整できる便利な労働力である反面、暴徒化しうる潜在失業者であった。それを政治が便利に使ってきたのが歴史である。
観光用に作られた美観は、東京からの旅行者向けの観光業と合作の作り笑顔であって、本質からかけ離れたものだ。年越し派遣村こそが(東京の問題でなく)地方の現状そのものなのだ。東京の上流、中流には虚像しか見えない。どうしても、このことがわからないらしいのだ、、パック旅行で何回外国に行っても、外国のことが何もわからないのと同じだ。