マンション管理組合の役割から「コミュニティ条項」を削除するとのこと
マンションの標準管理規約の改正が行われ、マンション管理組合の役割から「コミュニティ」の役割についての書きぶりが削除されるとのことです。
この意味について、↑のニュースとか分析しており、「マンション管理組合の役割を否定」しているとか書いてありますが、トンチンカンもいいとこです。
あるいは↓とかの記事。「セレブを狙い撃ち」とか、どう解釈すればこういう結論になるんでしょう（笑）。
国交省の審議会の議事録等をよく読めばわかることですが、「マンションの管理組合は財産管理団体である」ということを強調したいわけですね。
マンションの管理組合は（基本的に）財産管理団体である
これは、審議会の座長が一貫して主張していることです。マンションの住民が管理組合に無関心なのは、管理組合を町内会のような自治会と勘違いしている、というのが一因としてあります。だから、勘違いしないように、管理組合の役割からいわゆる「コミュニティ条項」を削除しよう、とこういう流れなんですわ。
まあ、上のブログにも批判がありますように、しかしながら管理組合のコミュニティ形成機能もかなり重要な役割ではあります。しかし、それ以上に財産管理団体という意味を強調しないと、ほとんどのマンションの会計は将来的に破綻する、というのが見えているわけなんです。
そして、この改正案になぜ管理会社の業界団体であるマンション管理業組合などが強く反対しているか？というと、管理組合を純粋に財産管理団体としてみると、マンション管理会社と完全に利益相反する形になるわけなんです。
それ故、管理組合としてはマンション管理会社ではなく会計事務所のようなところに財産を管理させたほうが良い、という流れになります。マンション管理会社が反対するのも当然ですな。
繰り返しになりますが、マンションの住民の共有財産である管理組合の財布を誰が握るか？というのが非常に大きなポイントです。
マンション会計業務以外に掃除や修繕工事などの現業部門を持っている管理会社に財布を（会計業務を）預けますか？それとも純粋な会計のプロである会計士事務所に預けますか？というのを、これを機会にマンションの住民全員で考えてみるべきでしょう。
