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マンション生活やその他諸々

アメリカのマンション管理事情について

前回までは、共同住宅の歴史の長いヨーロッパのマンション管理事情についてでしたが、今回は歴史の浅いアメリカについて見てみたいと思います。

アメリカも、ニューヨークを中心とした東海岸都市部における集合住宅の歴史は長いのですが、大部分のコンドミニアムは戦後に始まっています。
一般にアメリカのマンション管理方法は日本と同じ理事会方式とよばれるもので、ヨーロッパの管理者方式とは区別されます。ただ、日本の理事会方式とは中身はだいぶ違います。
イメージとしては、管理組合の組織を株式会社になぞらえると分かりやすいです。
住民 → 株主
総会 → 株主総会 : 取締役(株主の代表)選出
理事会 → 取締役会: 管理の基本方針の決定
といった感じです。

そして、取締役会のボードメンバーが、実際の管理業務について、専門家である執行役員(管理会社あるいは個人のオンサイトマネージャー)に委託するという流れになります。

コンドミニアムの規模にもよりますが、理事会の権限は強く、責任も重大です。経営学的な資質も必要とされます。
ただ、報酬はその割りに高くないです。自分たちのためにやっている、という意識でしょうか。

ということで、なり手はかなり限られてきます。やはり、なり手不足が問題になっているようですね。
あと、実際の管理業務をプロの専門家に委託しているので、やはり管理費は一般的に高い。私もハワイにコンドを持っているのですが、日本と比較してもかなり高めです。

ちなみに、これらの話は戸建ての住宅同士でつくる管理組合(HOA)でもほぼ同じです。お金をかけた良質な管理が、資産価値に直結していることが、広く認識されているんでしょう。

まとめ

日本のマンション管理における理事会方式は、アメリカのシステムを参考に導入されたらしいですが、両者はだいぶ違います。
管理組合の理事になるっていうのは、会社経営と同じく、マンションの管理運営の舵取りを任されるってことで責任重大なんですよね、基本的に。
果たして、素人の住宅同士で輪番制で廻してやっていけるものなのでしょうか(笑)?
とくに、人材が限られてくる小規模マンション等では、理事会方式は再考した方が良いと思われます。