マンシオンに住まふ

マンション生活やその他諸々

マンションにおけるコミュニティ再考➀

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↑のように、細野透という人が、「マンション・コミュニティ殺し」というワケのわからないことを言っています。

以前も簡単にエントリしたとこでありますが、マンションにおける、そして日本におけるコミュニティについて、ちょっと長くなりますが、まとめて書いてみたいと思います。

 

なぜ、今「コミュニティ」なのか?

 日本において「コミュニティ」という言葉が盛んに使用され始めたのは1970年代のことである。当時は、高度成長経済による歪みを修正するために、かつてのムラ社会的秩序とは違った、新たな地域のあり方としてコミュニティ形成が目指された。

 今、そのコミュニティが改めて注目を集めはじめている。これには、1970年代とは異なった、日本の社会的状況が関係している。それは、防犯や防災、子供の健全な育成などの地域福祉への需要の増大によるところが大きい。そして、その背景には社会的・協同的行為の多くを公的機関に委譲してきた日本の近代社会の限界が見えてきたことも関わっている。

 すなわち、大きな政府が丸抱えしてきた防犯・防災・教育・福祉などが、国家及び地方財政の危機的状況を迎え、再構築を余儀なくされているということである。

 

 1970年代以降、多くの学者や旧自治省が中心となり、従来のムラ社会的共同体とは異なる新たなコミュニティの形・あり方として色々な提案がなされてきたが、それらはすべて従来のコミュニティ概念、すなわち地域性に立脚して論をすすめてきたものであった。その際、地域性として想定されていたのは、近隣的ネットワーク、すなわち本来忌避すべき対象であるムラ社会的存在である町内会・自治会などを基本的なモデルとしたものであった。

 そう、GHQによって解体されたはずの町内会・自治会が、なんと1970年代よりはるか前の1952年にはすでに復活していたのである。

 

続く